空を歩く

パップー君が住んでいる小さな星*1

 パップー君が住んでいるのは小さな星です。
 1日もあればゆっくりひとまわりしてもどってこられるくらい。
 こっちからはむこうをウラって呼んでいるケド、むこうがわもじつはこっちのことをウラって呼んでいます。
 ココとトナリとウラですんでしまう大きさです。

 パップー君はとことこ歩いていきます。ここにはクルマとかいうものはありません。あんまりはやく走ったら行きすぎてしまうから。
 急ぎすぎるとたましいを追いぬいてしまうとむかしからいわれています。
 おばあさんがこどものころ、“なぎさ”に“とおく”から来たひとが流れ着きました。“なぎさ”は決まったところではなく、そうしてどこかからだれかやなにかが流れ着いたところをそう呼んでいます。
 その人がいうには、その人のすむ星はとても歩ききれないほどの大きさで、とてもとても果ての見えない大きな“池”があり、その池のフチを“なぎさ”というそうです。
 パップー君の星にはそんな大きな池はありません。
 とてもとても果てが見えないのは宇宙(そら)くらい。
 そのそらのなぎさに身をよせあってくらしています。
 あんまりその人の星は大きいので、クルマというものにのってびゅんびゅんすごいはやさで動きまわるそうです。
 パップー君には想像もつきません。
 あまりにも宇宙は暗く広いのでとてもさびしく、そのせいかあまり人は人と殺しあうようなケンカはしません。
 そんなケンカをしても、おたがいにほかにゆくところがないくらいこの星が小さいことがよくわかっているのかもしれません。
 
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by ben-chicchan | 2005-03-31 11:39 | story
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