空を歩く

エンジェル・フライ*8〜出会い*

 街には少し高台の地形があった。
 想いに引かれるようにそこに出た。駅前の高層ビルの手前の、道路の上をまたぐ橋のところまで来てマオは足を止めた。
 フラウが言った。
「ああ、あの空はいいね・・。ここじゃないところでも見たね。」
「ウン。」
 フランのささやかなうなずきも感じた。
 そういわれれば、そんな気がマオもした。
「違う星でってこと?」
「はるかな別のときと場所で。」
「たぶんマオも見てるんだよ。その頃ね。」
「もしかして、フラウやフランと会ったのははじめてじゃないの?」
「出会いなんてのはそういうもんさ。思い出せないくらい前かもしれなくても、そんなもんさ。」
 フランはそう言って飛んだような気がした。
 フラウはまだかたわらにいて少し思い入れるように橋の下を眺めていた。
「ひとがぱらぱらいるね。この星のひとが。」
「他の星もなつかしい?」
「ううん。いつでも行けるもの。」
 そういって振り返ってきんぽうげのように笑うと、黄金色の光がまたたいた。
 そしてフラウも飛んだ。

 天使を見送ってマオはじんじんとしみるような天使時間の余韻を味わいながら、階段を降りていった。
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by ben-chicchan | 2006-03-05 09:20 | story
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