空を歩く

カテゴリ:詩( 27 )

さんげの喪服

何十世紀にも渡る
さんげの喪服を
だれもかれも知らず
まとってきた

地層のようなその黒い枷は

重いがために
着ていることすら忘れ
つらくて腹を立てたりした

そうして目の前の兄弟をゆるせず
ゆるせない自らをゆるせず
さらに厚く着込んでゆく

でも待て
たった今
なにもかもをこえて
なにもかもをゆるす
源からの“許可”をえらぶなら

瞬時にこの服は真珠色となり
業は燃え
灰の香り立ち昇る

さんげすることも
ゆるすことも

ゆるやかに共存し

今ここに陽を浴びて
あたえられている

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by ben-chicchan | 2005-08-16 09:17 |

夏の夜

杜で
奏でられる弦の音にのって
星の道のりを
たどった

150億年前にバンした水素とヘリウム
炭素となり
マグネシウムになり
DNAを抱き
あるきだす

やっと
目が
ひらかれ始めた
自分が星であること
気づき始める

はるか
星屑への道のり

たどっている
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by ben-chicchan | 2005-08-08 18:06 |

夏の午後

しばらく行方不明
犬のポーシローと
トランシーバーは持っては出たが
なにしろこっちに受信機がない

あいつは今頃
あの赤いツバのない帽子を
人の波に浮かばせて
プカプカと都会を泳いではいるだろう

いつも
夏のこんな暑い日なんかに
軒のブドウ棚の方からひょっこり
あいつは帰ってきたりした

まるで
角のタバコ屋に
行ってきたように

風鈴がなるとあいつかと思って
起き上がるクセを
直せないでいる
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by ben-chicchan | 2005-08-05 15:32 |

ふるさと

成層圏を
桃色の帯たゆたう

自転に合わせて
ゆっくりめぐる

うたをきいた
天女かもしれない

むかし、あそこに
イスラエル人も パレスチナ人も
すんでいた
テロリストもわたしもすんでいた

じゃ、またあとでね
といって地上におりた

じゃ、またあそこでね
と天にかえる時
いおう
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by ben-chicchan | 2005-06-27 18:09 |

かみさま

青い空そのものが
かみさまだ
という民がありました

かみさまとともにいたくて
窓わくも扉も
青くぬりました

空がかみさまなら
どこにいても
つつまれます

だれも
とりこぼしがありません

この星にいるかぎり
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by ben-chicchan | 2005-05-22 13:27 |

いとしい闇

内にあるあの激しさよ
融かされることを待つ数々のカルマよ

光があたった
闇よ

安らかに

いとしい闇よ

黙々と石炭をくべる
機関士のように
その黒光りする固まりを燃やそう

闇が知って
なんと
喜んでいる

待っていたのか
幾万 幾億の歳月を

還ってゆく
“わたし”を通って

列をなして
そらに抱かれて
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by ben-chicchan | 2005-05-19 18:59 |

会いたい

ぽくぽくと歩み
ひなたのほし草のにおいのする

そんなつぶらな
たしかな生に
会いたい
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by ben-chicchan | 2005-05-14 16:04 |

永遠の白い空

みらいの空降る
マヤ色の

へんてつのない街に

古代の白い音

なぜこうも平らか
波寄せる真近に

きこえる

静けさ

遠からず時代の帳降り
すでに師走の声をきくいま

この波を超えると
この白がありますか?

ならばふるえる
ことはありませんか?
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by ben-chicchan | 2005-05-07 18:03 |

はかなきもの

ほんの
100年ほど前でさえ
今はもうだれひとり

激しい
慟哭も
まぶしい
賞賛も

貧困も富も
美も醜も

ふたつに分かてるもの
はかなくみな
平等で

今日にくしみあえるしあわせ
敵ですら在てくれることのありがたさ

明日には露と消えるのに
まるで永遠であるかのように
たたかう

いとしき
はかなき
仕業

足りなさを観ても
うらみを抱いて
くるくるワルツを踊るよゆうはなく

ひとにもたらされるはかなき尊敬を
うらやんでいるほどの時間もなく

けれどもしあわせになるには
じゅうぶんなだけのひろびろとした時は
ここに満ちている

あたまの奴隷から
足のしもべとなって
ただ立ち
ただ歩む

ただそれだけの呼吸の
いとふかき尊さ













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by ben-chicchan | 2005-03-23 15:55 |

みらいの手

こだわりの蹉跌でできた
あいだったり
にくしみだったり

大事に背負ったそのまぼろしに追われて
輪を踏む
けんめいに
はつかねずみのように
けなげに

ほんとは

なぐる手で
いのりたかった

たたく手で
ほんとは
あたためたかったんだ

手がいたい?
それは
みらいをおもいだしたせい

使うためにあるいのちは
はちきれんばかりに
手をふくらます
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by ben-chicchan | 2005-03-17 13:25 |