空を歩く

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パップー君が住んでいる小さな星*1

 パップー君が住んでいるのは小さな星です。
 1日もあればゆっくりひとまわりしてもどってこられるくらい。
 こっちからはむこうをウラって呼んでいるケド、むこうがわもじつはこっちのことをウラって呼んでいます。
 ココとトナリとウラですんでしまう大きさです。

 パップー君はとことこ歩いていきます。ここにはクルマとかいうものはありません。あんまりはやく走ったら行きすぎてしまうから。
 急ぎすぎるとたましいを追いぬいてしまうとむかしからいわれています。
 おばあさんがこどものころ、“なぎさ”に“とおく”から来たひとが流れ着きました。“なぎさ”は決まったところではなく、そうしてどこかからだれかやなにかが流れ着いたところをそう呼んでいます。
 その人がいうには、その人のすむ星はとても歩ききれないほどの大きさで、とてもとても果ての見えない大きな“池”があり、その池のフチを“なぎさ”というそうです。
 パップー君の星にはそんな大きな池はありません。
 とてもとても果てが見えないのは宇宙(そら)くらい。
 そのそらのなぎさに身をよせあってくらしています。
 あんまりその人の星は大きいので、クルマというものにのってびゅんびゅんすごいはやさで動きまわるそうです。
 パップー君には想像もつきません。
 あまりにも宇宙は暗く広いのでとてもさびしく、そのせいかあまり人は人と殺しあうようなケンカはしません。
 そんなケンカをしても、おたがいにほかにゆくところがないくらいこの星が小さいことがよくわかっているのかもしれません。
 
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by ben-chicchan | 2005-03-31 11:39 | story

はかなきもの

ほんの
100年ほど前でさえ
今はもうだれひとり

激しい
慟哭も
まぶしい
賞賛も

貧困も富も
美も醜も

ふたつに分かてるもの
はかなくみな
平等で

今日にくしみあえるしあわせ
敵ですら在てくれることのありがたさ

明日には露と消えるのに
まるで永遠であるかのように
たたかう

いとしき
はかなき
仕業

足りなさを観ても
うらみを抱いて
くるくるワルツを踊るよゆうはなく

ひとにもたらされるはかなき尊敬を
うらやんでいるほどの時間もなく

けれどもしあわせになるには
じゅうぶんなだけのひろびろとした時は
ここに満ちている

あたまの奴隷から
足のしもべとなって
ただ立ち
ただ歩む

ただそれだけの呼吸の
いとふかき尊さ













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by ben-chicchan | 2005-03-23 15:55 |

みらいの手

こだわりの蹉跌でできた
あいだったり
にくしみだったり

大事に背負ったそのまぼろしに追われて
輪を踏む
けんめいに
はつかねずみのように
けなげに

ほんとは

なぐる手で
いのりたかった

たたく手で
ほんとは
あたためたかったんだ

手がいたい?
それは
みらいをおもいだしたせい

使うためにあるいのちは
はちきれんばかりに
手をふくらます
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by ben-chicchan | 2005-03-17 13:25 |

うちなるてのひら

青空がふりしきる

立っていることが
こだまする

てのひらのようなものが
胸の痛みにあきらけくふれた
すきまなくゆるみなく
遥かに受け入れ
果てしなく離れず

泉、湧きいずる

わたしのでもあり
わたしのでもなく

水面、光る
青に照らされて








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by ben-chicchan | 2005-03-14 00:11 |

黄緑の言葉

逃がした言葉は黄緑色していた
なかなかいかしたやつだったのに

いままでに幾度こうして
黄色い砂漠の地平線の向こうの
地球の淵に落っことしてきてしまったことだろう

のどを滑り
腑に落ちて
目から食べた虹を
爪に均す前に

逃がしてしまう
逃がしてしまう
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by ben-chicchan | 2005-03-13 22:45 |