空を歩く

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かみさま

青い空そのものが
かみさまだ
という民がありました

かみさまとともにいたくて
窓わくも扉も
青くぬりました

空がかみさまなら
どこにいても
つつまれます

だれも
とりこぼしがありません

この星にいるかぎり
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by ben-chicchan | 2005-05-22 13:27 |

いとしい闇

内にあるあの激しさよ
融かされることを待つ数々のカルマよ

光があたった
闇よ

安らかに

いとしい闇よ

黙々と石炭をくべる
機関士のように
その黒光りする固まりを燃やそう

闇が知って
なんと
喜んでいる

待っていたのか
幾万 幾億の歳月を

還ってゆく
“わたし”を通って

列をなして
そらに抱かれて
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by ben-chicchan | 2005-05-19 18:59 |

会いたい

ぽくぽくと歩み
ひなたのほし草のにおいのする

そんなつぶらな
たしかな生に
会いたい
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by ben-chicchan | 2005-05-14 16:04 |

パップー君が住んでいる小さな星*4

 いろんな木を見上げながらゆっくり歩きました。
 村から森をぬけるのですが、なかなか木によばれません。
 もう、その丘をこえると“ただそれだけのかべ”が見えてくるというそのてまえの、せせらぎまできました。すこし、かたをおとしてパップー君は思いました。
(ぼくを呼んでいる木はないんだろうか・・。)
 その時、丘の上に立つ1本のナギの木が目にはいりました。
「あっ!」
 そういってパップー君はかけだしました。
「いたいた!この木だ!ぼくの木!」
 それはいつもとおる丘にめじるしのようにはえているすてきなナギの木でした。
「そうか、これか。」
 うなずいて、大きなナギの木を見上げて、目でなぞってみました。
 大きくて大きくてとてもきれいで、そういえばうっとりするくらいです。
 パップー君はとても手のまわりきらない幹にだきつきました。目をとじてしばらくそうしていました。
 夕方の風がふいてきて、とおくにいちばん星がひかりはじめました。
 パップー君はすこしはなれてすわると、もう一度ナギの木を見上げました。いつの間にか風の音もきこえないような気がしました。
 じぶんがナギの木になって、土から水をすいあげているような気がしました。星もない黒い宇宙に、ナギの木になってうかんでいるようでした。
 気がつくとまわりも真っ暗で、星がふってくるようにまんぱいでした。
 パップー君は明るいかおで立ち上がりました。
 パップー君はこのいつも見なれていたナギの木が、パップー君のことを好いていてくれたのがはじめてわかって、とてもしあわせなきもちになったのです。
 ぼくにはこの木がいる。そして、そんな木はほんとはあちこちにいる。
 パップー君にはとてもよくそう思えて、元気よくかけだしていきました。
 星がおっかけてくるようでした。
 ふたつある月が、とてつもなく大きくぽっかりとうかんでいました。

 おわり
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by ben-chicchan | 2005-05-09 17:32 | story

永遠の白い空

みらいの空降る
マヤ色の

へんてつのない街に

古代の白い音

なぜこうも平らか
波寄せる真近に

きこえる

静けさ

遠からず時代の帳降り
すでに師走の声をきくいま

この波を超えると
この白がありますか?

ならばふるえる
ことはありませんか?
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by ben-chicchan | 2005-05-07 18:03 |

パップー君が住んでいる小さな星*3

 サワジイはいっしょにいるとだれでもぽかぽかとあったかくなって、別れる時はみんな笑顔になってしまうふしぎなおばさんで、ウラの村でざっか屋をやっています。
 パップー君はサワジイがだいすきです。
 村のまんなかの大通りのほぼまんなかへんにサワジイの店はあります。いつも人だかりがしているのですぐわかります。大きなおなかのおじさんのあいだをすりぬけて入ると、いつものようにサワジイの大きな笑い声が店にひびいていました。
 サワジイはおいしゃさんではないのですが、人の顔色がよくわかってなにをたべたら、なにをしたらよくなるかとてもよくしっていました。
 パップー君が入ってきたとたん、サワジイは大笑いをやめました。
「あれあれ、月割り草がしおれたみたいだ。なんかあったかね?」
 パップー君はほっとしました。やっぱりサワジイはたよりになる。
 あったかいお茶をだしてもらうと、パップー君はサワジイに口をひらきました。
「ぼくがせわしてる牛が、プナンのとこのすえっ子のイオをつのでついてけがさせちゃったんだ。プナンはぼくのせいだってこわいかおしてどなりこんできて、かあさんもおんなじにおこった。でもぼくはとめようとしたんだ。イオがぼくの牛をはやしたんだ。それでほんとはおしおきに牛小屋にとじこめられてたのをこっそりぬけだしてきちゃったんだ。」
 まじめなかおになってきいていたサワジイは、大きくうなずいてものすごくたっぷりにっこりしました。そうなんだ。これでいつもなんだかだいじょうぶって気になってきちゃうんだ。
「あんたにいちばんいい方法をおしえてやるさ。」
 にっこりでもうずいぶんこころがかるくなっていたパップー君は思わず身をのりだしました。
「あんたをいちばん好いてくれる木をおさがし。」
「木?」
「どうやったらそれがぼくを好きだってわかる?」
「そんなのかんたんさあ。よんでるからね。」
「よばれるの?」
「そっちへいきたくってしかたのなくなる木がそれだ。」
「ああ。」
「そしたらね、その木のりんかくをていねいになぞってごらん。」
「なぞる?」
「そう、目でなぞる。そうするとその木にとても入りやすくなる。」
「入るの?」
「べつにあなをあけて入れというんじゃない。きもちだよ。そうしたきゃ、だきついたっていい。」
「そうすると?」
「してみたらいいさ。それがあんたの方法だ。」
 それだけいうともう、サワジイはおとなたちの方へむきなおって大きな声でまたしゃべりだしていました。だけど、その前にとびきり大きなウインクをのこしてくれたので、もうなにもきかなくてもいいような気がしました。
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by ben-chicchan | 2005-05-07 17:55 | story